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観賞用の肉体



 25歳の小柄な沙耶花は155センチ。とにかく色白であった。
 裏日本は北の方の米どころの生まれ。本物のもち肌美人だ。
 だけど古典的タイプじゃない。
 くびれた脇腹から、ぐっと盛り上がるCカップの乳房が、まさに小気味良い肉体を造っている。
 吸い付きそうなaタイプの女である。(aタイプ──超電導美那子Y6 参照)

 ちょっと短めな首が可愛い。
 これは沙耶花が、少しでも長く見せようと、いつでも、おとがいをちょっと突き出し加減のポーズを取っているからだ。

 ──この方が絶対魅力的よ。やりすぎると馬鹿っぽく見えるわ。気をつけなくっちゃ。

 と、沙耶花は、鏡に向かっている時間が非常に長い。
 自分がどのように見えるか、どのポーズが最も有効なのかを、常に研究しているからだ。

 脚はこの身長にふさわしく、やや子供っぽい形である。
 このすんなりした華奢きゃしゃな脚が大好きで、小松さんは「子供脚こどもあし」と名づけて喜んでいた。
 未成熟さがCカップとのコントラストを際立たせ、男に対して、その威力を最大限に発揮している。
 手入れの行き届いたきめ細かな白い肌は、まさに絶品と呼ぶにふさわしい。




 さて、小松さんは、沙耶花にしてみれば、最近増えてきた高齢者ファンの一人に過ぎなかった。
「手が、脚が、人生が……」
 と、どうのこうのと言っていたようなのだが、別段、関心を寄せる対象ではなかった。

 沙耶花の恋人は同世代の遊び人であった。
 ミツルという名で、自称「レジャー産業のプロデュース業」なんぞと称している。
 最近話題の「プロ・サーファー」のアノ男と似たようなものだが、こちらは若くて金が無かった。

 十代の頃ミツルの紹介で、AVに5本ばかし出演したのであったが、そのギャラはすべて、ミツルに巻き上げられていた。
 もっとも、その頃、沙耶花は、まだ幼かった。
 だから、二人で一緒に、遊んで使ったと言うべきだろう。
 ストリッパーとなってからも、ミツルは頻繁ひんぱんに金をせびりに来るのだが、プロの「ヒモ」という程の存在ではない。
 優柔不断で気が弱いのだ。
 だから最近は、ちょっぴりしか渡してやらない。

 ミツルとの結婚は、考えた事もない。
 むしろ、別れる潮時かもしれない。と思っていた。
 これには訳があった。
 ミツルは、薬物にはなんでも手を出す男で、金の使用目的は、ほぼ、これなのだ。
 まあ、沙耶花が勧められた事は無かったし、ミツル自身も、依存する程の常習性は今のところは無い。
 しかし、マトモになりそうな気配は微塵もなくて、沙耶花がそろそろ疲れを感じてきたのも不思議じゃない。

 もう一つ。 困った事にミツルは、SMが好きな変態であった。
 女を縛ってのセックスが好きなのである。
 沙耶花にしても、緊縛されてねちねちと責められるセックスは、元々嫌いじゃなかった。
 しかし、ストリッパーになってからは、仕事に支障をきたす事となったのだ。
 つまり、縄目の痕が残るプレイは困るのだ。
 激しいキスマークだって困る.のに、ミツルは盛り上がると、駅弁スタイルで歩き回りながら、平手による尻打ちを繰り広げるのだ。
 激しい絶頂感に我を忘れた後では、必ず後悔してしまう。

 当初ダンスが下手で、へこんでいた沙耶花も、このところストリッパーとしてのプロ意識が芽生えてきていた。
 長じゅばんのショーにしたって、自分で一生懸命、企画して、演出しているのだ。
 それなりに手ごたえもあって、面白いのだ。
 応援してくれるファンもついた。

 ある意味、ミツルには感謝していた。
 人気の源である沙耶花のつるつる性器は、ミツルのSM嗜好のお陰で誕生したものだったのだから。

 ──ここの毛は無いほうが絶対可愛いわ。
 と思いながら、今ではすべてを綺麗に抜き取っている。

「今度は照明、うんと落として、ロウソク使ってみようかな? ここでお尻をひねって、オッパイきゅっと、つかんで見せちゃお。こっちの乳首、勃つかな? あーん、もう、エッチな企画考えるって、すっごく楽しい!」
 エロもアートも大好きになった。
 意欲と充実感を感じる。

 そんな訳で沙耶花は、緊縛プレイや、激しいボディキッスを拒否する事にした。

「なんだよ。沙耶花。お前の身体は、観賞用だって言うのか?」
 とミツルが言うので、
「その通りよ」
 と答えてやった。
「ケツ振りダンサーが、きどってんじゃねえぞ!」
 とミツルは怒った。

 そんな次第でミツルとのセックスは、だんだん疎遠になってきていた。
 小松さんが、頻繁に楽屋を訪ねて来るようになったのは、そんな時であった。




 ラブホに誘われて応じたのも、深く考えた結果じゃない。
 いつも気前良くチップをくれるオジイチャンに、お礼と感謝の気持ちを表したかったからだ。
 それから、ミツルと疎遠になった事により、久しぶりで欲情したくなった事にもよる。
 バスルームで丹念に、小松さんの身体を洗ってあげたのは、加齢臭が嫌だったからだ。
 小松さんの乳首と性器に、念入りな唇奉仕を行ったのは、勿論、早く勃たせる為だ。
 女性上位の体位で、またがって腰を振ってのセックスは、組み敷かれた場合、シーツのしわの痕が、身体に残ったりするのが嫌だったからだ。
 25歳とまだ若い沙耶花なのだが、十代の頃の張りは、なくなってきたと実感している。
 


 



 








 

 

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