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特権子弟の夜

 

 麦子が、陽部長との別れを決意したきっかけは、留守中、訪ねて行った事が原因であった。(このように、知らずシャブが作用しているのだ)

「陽さんは延吉へ出張で、しばらく帰らないよ」
 と、陽部長と同じく『華北最合公司』の社員である成さんが言った。
 麦子は、この男を知っていた。
 ウニクロ北京店にも陽部長と一緒に、または単独でよく来るのだ。

「せっかく来たのだから、お茶でも飲んで行きなさい」
 と言われた。

「コーヒーくらい、いいでしょ? 陽さんの婚約者を、門前払いする訳にはいかないのよ」
 と、『華北最合公司』の女性社員である王さんが言った。
 この女性も知っている。

「お嬢さん、シャンペンだけでも、飲んでってよ」
 と、登という男が言った。
 この男は知らない。

 マンションでは、陽部長の幼馴染の、周という男の誕生パーティーの真っ最中であった。
 陽部長の悪友達が集まっていた。
 皆、党幹部の子弟なのだが、若い頃からの遊び仲間であり、優秀な者はいない。
 親の庇護の元で、長い青春を謳歌している特権子弟達であった。



 その恋人達? である女達は、一様に温和しかった。
 王さん以外はいずれも若い女で、十代の女の子ばかりなのだ。
 明らかに十四、五歳の少女もいる。
 男達から貰ったプレゼントを見せ合っては、自慢し合っている。



「中国の女は皆、きつい性格だから、結婚すると尻に敷かれちまう。尻に敷かれたら、人生はお終いだ」
 そんな意味の事を悪友の一人が言っている。

 若いガールフレンド達は、いずれも辺境出身の貧乏人で、都会での暮らしに落ちこぼれて〝不良〟になった女や、中には、中国の延辺朝鮮族自治州で身売りした、脱北者である朝鮮人少女もいると言う。
 皆、この特権不良子弟達の、秘密の愛人であった。

「この娘は延吉で、ジジイどもの共有財産になっていた脱北者なんだ。あっははは。共同便所にされてたって訳さ。俺様が助け出してきて、面倒見てるんだ」
 まだ、あどけなさの残る美少女を指差して、男の一人が言った。

 ──あら、嫌だ。陽さん、……出張先は延吉ですって? 
 と麦子は思った。

「助けたって? うそつけ、このヤロ、この娘、いくらで買ってきたんだ?」

「本当だよ。金なんか一元だって使っちゃいない」

「じゃ、どーしたんだ!」

「お前ら、みんな法輪功だ! 俺様の友達には警察幹部もいる。密告して全員、ふんづかまえてやるぞ! って、法輪功のパンフレットをバラまいてやったのさ。これが証拠だ。言い訳できるもんならやってみろ! ってな」

 ──こいつら、本当に特権階級なのね。
 麦子は、嫌悪感が込み上げてきた。

「まったく陳さん悪どいね」

「なあに、構うもんか! そもそも延吉じゃ、覚せい剤やモルヒネにMDAD、偽ドルに偽円、脱北女の売春が横行してるんだ! 無法地帯なんだ! あんな奴らは死刑になって当然さ」

「ハングルの看板だってヘドが出るぜ!」

 ──陽部長、延吉で美少女、買ってるんだろなあ。・・・・ほんとに男って・・・・。
 麦子は婚約破棄を考えていた。
 
「ベスト・フィット・USAを見ようぜ! 新しいのがあるんだ」
 と誰かが言った。

 ──へえ。日本のロック番組じゃない。

 懐かしい思いに駆られて、麦子もテレビの部屋へ入った。
 しかし、大型液晶テレビに映っていたのは、USAポルノであった。
 黒人男と白人女の性交画像が流れる。



ハオハオ。これぞ最合ベストフィットね」
 と、『華北最合公司』の成さんが言った。

「アメリカは、もう、ためね。二流国ね!」

「わははは。ロシアは三流国ある!」

「そた! 21世紀は漢民族の時代た!」
 と言って祝杯を挙げる。

 画面の中の黒人男優を指して、
「オバマだ。オバマだ」
 と言って笑う。

 画面の中の白人女が、黒人巨根男優に激しく突かれてあえぐ。

「大きの自慢の、陳さんも、これには敵わないね」

「ぽこぺん、たいしたもんたね」

「太さも凄いね。白人男も、大きいけと、柔らかいよ」

「白人タメね。やぱり、黒人一番よ」

「二番、中国人ね」

「ても、テクニクあるから、やぱし中国人一番ね」

「そた。黒人テクニクないよ」

「そたそた。ないのことよ」

「中国人一番。やぱり漢民族一番たよ!」

 白人女は、けたたましいよがり声をあげる。
 
 黒人巨根男の往復運動コイタスが激しさを増す。

 往復運動コイタスに合わして、
「オバマ! オバマ! オバマ! オバマ!・・・・・」
 と中国人達が唱和する。

 それから、興奮した男達は、各々自分の女の子を抱き始めた。

「オマエは俺様の玩具(おもちゃ)たよ!」
 と誰かが美少女に言った。

 成さんと王さんも抱き合っている。

「日本の『ハプニング・バー』あれは面白いね。去年、王さんと行てきたよ」
 と言って成さんがウインクした。



「日本人、シケベたからね」
 と誰かが言った。

「そう言や、ロシア女、抱ける所、あるんたぜ」
 と誰かが言った。

「この前ね、延吉行てね、『ピー屋』でこの娘、気に入たよ。三日三晩ヤリぱなしたったよ。覚せい剤打てたから、全然眠くないんたよ」

「それて結局、買てきたんたな。いい玩具(おもちゃ)たよ」

 麦子は逃げ出した。

 麦子は陽部長との別れを決意した。
 好きとか嫌いとかという問題では無かった。

 国家、敵国、権力、などという、陽たち特権中国人が当たり前に持っている『概念』を、函館で、のほほんと暮らしている両親の元に持ち込むのは、絶対に嫌だったからだ。




 ── お詫び ──

 文中、後半部分での中国人の会話について。

 差別主義的な臭いを感じて、不快感をもよおした方に、まず、誤ります。
 確かに不幸な過去を振り返ると、こんなトンデモナイ表現は、とるべきではないと思います。

 じゃ、なぜ、「ポコペン」をやってしまったか?

 理由を三つあげます。

 まず第一に、私という人間が、面白けりゃ何でもイーンジャナイカ? と考えがちな、フトドキモノの大馬鹿野郎だと言う事です。

 第二に、差別とは、強者が弱者に対して行うから嫌らしいのであって、現在の中国は、けっして弱者たりえない。と感じるからです。我が国の政権党の幹事長が、何百人も引き連れて、遣唐使よろしく、ゴマをすりに行くほどですからね。

 第三に、このエロ小説のネットでの「在りよう」は、「同人誌」のようなモノであり、古今、「同人誌」では、カルト的なモノやフェチ的なモノ、つまり、フトドキな表現方法の許容範囲が広いのも、また日本の文化だと思うからであります。

「同人誌」はメディアの一翼を担っている訳じゃないし、往々にしてモラルから逸脱するからこそ「同人誌」なんです。
 むしろ、プログレッシブであり続ける事にこそ、存在意義があるんじゃないか? と認識している次第です。

 批判を恐れずに、何でも書ける、アマチュアの広い裾野こそが、より高い民度の象徴であり、日本の誇りなのであります。

「あ! ぱか! あなた、そこまて言うか? よくもゆたな! 中国4千年の呪いを受けてみろ!」
 と、陽部長の声がする。

 ──ボワワ~ン! と白い煙が出た。


「ありゃ? くせなたな。こまたな。……」
 と、ロッカ。

「直すのが、面倒くさいもんだから、ツベコベと……。ほら、罰が当たった」
 と参照太夫が言った。



















 

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