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強姦魔とオナニスト



 強烈なアナルセックスの直後である。
 当然、トイレを使いたい。という加奈子を、秀雄は無理やりバスタブの中に引っ張り込んだ。
 そしてお湯を張る。

 変形楕円形の、大きくてゴージャスなバスタブには、二人でゆったりと入れる。
 お湯の勢いも良く、広い湯舟はすぐに一杯になった。
 ジャグジーも付いてるし、こんな所は、やはりラブホテルならではだ。
 

 加奈子を後ろ抱きにしながら、バスタブの説明文を読んだ秀雄は、並んでいるスイッチの一つを押した。
 湯舟の中が七色に光り出した。
 プログラムに沿って、色彩と明暗が変化してゆく。

「綺麗。……素敵ね」
 と加奈子がつぶやいた。
 秀雄は、加奈子の美しく、たわわな乳房を、なぶなぶと揉んでいる。

 バスルームの天井には、スピーカーも付いていて、昔の和製ブルース「プカプカ」が鳴り出した。
 有線は、懐メロチャンネルに合わしていた。

 ~♪俺のあんはタバコが好きで・いつもプカプカプカ・・~

 秀雄のネグラである「事ム所」では、おおむね「昭和歌謡」か昔の「ニューロック」を流していた。
 プレイヤーが置いてあり、オヤジ達が持ってきた古いレコードをかけるのだ。

 何度も聞いているうちに秀雄は、この曲を覚えてしまっていた。
 だから、思わず一緒に歌い出していた。

 ~♪身体に悪いから止めなって言っても・いつもプカプカプカ~

 加奈子はじっと聞いている。
 乳房も、肉体の何処もかしこも、秀雄に預けっぱなしにして。

 ──秀雄。また、会っちゃった。
 ──駄目ね。わたしって……。



 加奈子は、以前録られた「エロ画像」を、ウェブ上に流失させない為に、秀雄の機嫌を取り結ぶ必要があった。
 だから、何度か秀雄に会って、その都度、肉体奉仕を続けてきたのだ。
 だが、秀雄に呼び出された事は一度もなかった。
 何時でも呼び出しているのは、加奈子の方なのだ。

 つまり、加奈子自身が欲情した時、自分を納得させる為に、
「口止めをする」
 という「口実」を使って、秀雄を呼び出していた。
 最近目覚めてきた「被虐の快楽」を、貪りたいが故に。

 一方、加奈子に惚れている秀雄としては、こんな嬉しい話はないのだが、身分も立場も天と地ほど異なっている事を、よく自覚していた。
 だから、湧き上がってくる甘酸っぱい感情を抑えて、あくまでも加害者である「強姦魔」として振舞うしかないのだ。

 実際、呼び出しの度に、猿芝居を繰り広げる加奈子には、笑ってしまう。
 こんな調子なのだ。

 ──携帯が鳴る。加奈子からだ。

「秀雄、あの『画像』流してないでしょね?」

 ──加奈子め。またヤリたくなったんだな。

「ちょうど今、『チューブ69』ってトコに投稿してやるところだ」
 ──くすくす。この前は、『スキャンダル・チューブ』つったんだよな。

「あ、まって! それだけは赦して! どこかで会って、お話ししましょ?」

「会うだけじゃダメだ! たっぷりいたぶってやる!」

「あ! ……悔しいけど、仕方がないわ。この前、連れてってあげた『クイーンズ・バー』来られる?」

 ──くそ。都心かよ。タクシー代、大丈夫だよな。
「連れてってあげた。とはなんだ! 簡単に行けるぜ!」

「7時にしましょ。何か食べた?」

「あのな。『クイーンズ・バー』にゃ、長居はしねえ。すぐホテルだ! だから『ボス・バーガー』の辛いやつ、買ってこい。それと……いつも通りに、ノーパンになって来るんだぜ!」

「ああ。悪い男! 仕方が無いわ。議員宿舎に寄って、着替えしてから行くから。ちょっと遅れちゃっても、待っててね」(加奈子は赤坂の議員宿舎に住んでいる)

 ──加奈子のやつ、声が弾んでるじゃねえか。

 まあ、これはこれで、男女の形体としては、理想的なのかもしれない。




 爺民党じじみんとうの代議士である丸山加奈子には、婚約者がいた。
 加奈子より5歳上の35歳。
 河元俊彦こうもと・としひこという名だ。

 俊彦は、大学の準教授で、優しくて真面目な男だ。
 背も高く、スポーツマンで、顔だってハンサムだ。
 もう5年越しの交際なのだ。

 セレブである加奈子の一族は、家柄の良い俊彦との結婚を心待こころまちにしていた。
 だから俊彦は、すでに家族の一員として認知されている。

「加奈子さん、マスコミ志望だったあなたの夢は、アナウンサーになった事で達成されたでしょ? 政治家になった事で完成を見たって訳なのね? あとは、俊彦さんとの結婚ね。長すぎる春はいけないわ」
 と母も言う。

 非の打ち所の無い完璧な俊彦。
 政治家になった加奈子を、心配しながらも応援してくれている。
 いつだって、細やかな気配りの中に、優しさがにじみ出している。
 そのうえ明るい性格なのだ。
 だから、皆に尊敬されている。

 加奈子だって俊彦が好きだし尊敬もしている。
 だが、愛はどうだろう?

 ──わたしは、俊彦さんを愛しているのだろうか?

 こう考えてしまうのには理由わけがあった。
 実は、加奈子と俊彦はこの3年余り、セックスレスが続いているのだ。

 いや、交際当初にしたって、そんなに「シタ」訳じゃない。
 たまーに、しかも、やっとこさ「ちょんちょん」だったのである。


 ──おい! ロッカ! なんだこの文章は! オマエ、小説、書く気がないのか?
 と参照太夫が怒っている。

 ──解りやすくていいと思うがなー。
 とロッカ。

 ──馬鹿か! たまーに、しかも、やっとこさ「ちょんちょん」とは何事だ!
 と参照太夫。

 ──いーと思うがなー。……駄目か?
 とロッカ。

 ──当たり前だ!
 と参照太夫。

 ──うーん。そいじゃ……。

 始めからくすぶっていた「置き火」が、とうとう消えてしまっただけの事なのだ。

 ──これならどうだ? 我ながら、いいじゃないか。な。
 とロッカ。

 ──この「出たがり」の癖が無けりゃな。
 と参照太夫が言った。


 さて、俊彦は、抜群にいい女。しかも才女である加奈子の、どこが気に入らないのだろうか?
 或いは性衝動リビドーに問題があるのだろうか?

 少しだけ俊彦のプライバシーを覗いてみよう。
 作者と読者である我々には、知る権利があるのだから。

 俊彦は、けっして精力が弱い男じゃない。
 むしろ女体への妄想が強い男で、しょっちゅう欲情する男であった。
 若い頃からそんな体質で、その事を恥じていた。

 学問の世界に生きる立場上、それと、女子学生の手前もあり、「本当はド助平人間だ」という事が、白日の元に曝される事を、何より怖れていた。

 そこで、この男、オナニーをして発散する事が習慣となった。
 精力の強い俊彦は一晩に、2回も3回もする。

 そして学究の徒である俊彦は、求道的であった。
 故に、オナニーグッズのコレクターとなっていた。
「電動ふぐ」(懐かしいですな)のたぐいである。

 更には、高級シリコン人形を何体も購入し、自室にはべらしている。
「マスダネ」の為の「裏ビデオ・DVD」の収集に情熱を注ぐ。
 最近はインターネットの有料エロサイトの上客でもあった。

 気兼ねのない自分一人の「エロワールド」を満喫して、スッキリとからっぽになった翌日は、まだ若いくせに好々爺みたいな顔をして、人格者となって世間に戻って行く。

 とにかく、モヨオシたら、すぐに抜く。
 これだけ抜いてりゃ、世間様の中じゃ滅多にモヨオさない。
 これなら誰に迷惑をかける訳じゃなし。
 これが1番だ。と思っている。
 完全なる「オナニスト」となっていた。

 加奈子との交際にしたって、加奈子の生理的な欲求には思いが及ばないし、正直、興味もなくなった。
 生身の女との複雑な駆け引きは、面倒臭いのだ。

 美少女シリコン人形に名前を付けて、「エロワールドのハイパーハーレム」で遊んでいる方が何倍も楽しいのだ。

 俊彦は、「オナニスト」であるからこそ「フェミニスト」でいられる男なのだ。
 或いは「フェミニスト」を演じる為に「オナニスト」になる必要があったのかもしれない。

 シリコン人形には、気になる女子学生の名前を順番に付けている。
「加奈子」と名づけた人形もある。



 さて、国際政治学者の「ハイパーハーレム」をお目にかけよう。
 ソファに陣取った俊彦は、シリコン美少女を侍らせて、最新入手の「東欧モノの裏ビデオ」を鑑賞している。
 これは冷戦時代に、実際は西ドイツで製作されたモノだが、なかなか面白い。

「ホーネッカー時代の東ドイツの高級官僚は羨ましいな。くそみたいなトラバントに乗ってるくせに・・・・。権力に満ち満ちてるよ。うん。このスルメ旨いな。女優だって、歌手だって、思いのままだもんな。カップ酒も旨い。オイ加奈子、俺様をしゃぶれ! お前は呼び捨てにできるからいいな。好きな時に、好きなように、むんずとのしかかって・・・やっぱカトキチは旨いな・・ほらミクちゃん、お前はケツを出せ! 落第させるぞ! 雅美の顔、拭いてやんなきゃな。・・・・タルタルソースが合うな。え? 七味タルタルって書いてある。・・・・ミクちゃんのオマンのスイッチ入れよう」 

 ──ブインブインブイン

「おお。効く効く。もちょっとで、セックスアンドロイドの時代だな。早く来ないかなあ」
 と幸福な俊彦なのである。







 







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